病気

今度はマッチ棒

 相変わらず脱毛の日々である。
バンダナを頭に巻くパイレーツスタイルではやっぱり髪が落ちてしまうし、寝るとぐちゃぐちゃになってしまうので、娘に頼んで病院の売店で「ケアぼうし」という、脱毛専用の綿キャップを買ってきてもらった。
がんを扱ったドラマ等で、患者さん役の人が頭からすっぽりかぶっているアレである。
伸縮性がありやわらかいので、寝ている時も快適。密着しているので毛が落ちるのもずいぶん防げているみたい。
いでたちはマッチ棒(若い人は知っているかな?)という感じである。
自分で言うのもなんだけど、ちょっとかわいい♪
盛大な脱毛が始まってちょうど一週間くらい。
最初はどうしていいかわからず、抜けたものを掃除するという防戦がやっとだったのだが、ここに来てやっと要領がつかめてきたような。
テレビなどを見る時ぼんやりせず、たえずブラシをかけたり、軽くひっぱったりして(痛みは全くない)なるべく毛を減らすようにつとめる。
この「毛資源」を何かに生かせないかと思ってしまうほど、抜けてくる。
抜けた毛には「毛根」らしき物はまったくなく、なんだかこんな何のひっかかりもない状態でよく頭にひっついていられたよね、あなたは・・・(涙)と、いじらしくなってしまうほと力ない。
大事業のお風呂の時は、あらかじめブラシで取れるだけ取っておく。(まあそれでもいくらでも抜けてくるのだが)
毛が流れていかないよう、目皿にキッチンペーパーを敷いておく。
洗った後髪に巻くタオルはなるべく色の薄いものを使う(最初黒いのを巻いてしまい、目が悪い私にはついた髪を取るのが大変だった)
上がった後は、髪にタオルを巻いたまま、パジャマを着て顔の手入れ等やるべきことをすべて終えて肩に大きいバスタオルをかけてから頭のタオルを取るようにする。この順序をまちがえて先にタオルを取ろうものなら大惨事に・・・(初日にやってしまいました)
一つ一つは小さいことで、たぶん要領のいい方なら最初からそうしているに違いないと思うのだが、私は結構いろいろ失敗の末、ここまで到達したという感じ。
少しだけ脱毛との暮らしに折り合いがついてきた。
体力のない身体での暮らし、抗がん剤治療を受けながらの暮らし、先の見通しの立たない暮らし・・・
一日一日なんとか暮らしをつないでいくしかない。
失敗して、そこからちょこっと学んで、また失敗して・・・
機嫌よく「七転び八起き」ができるよう、強くてしなやかな心が育つことを願って♪
「拾うには ありがたきかな 黒い髪」 望(近眼)

POSTED COMMENT

  1. ひーみ より:

    いつも思うんだけど、タイトル、うまいよね。え、何?って感じ。最近 特に冴えてない? もう毎回「座布団、一枚!」って叫んでるよ。望さん、コピーライターになれたかも!
    脱毛が気になったら、いっそバリカンで短くしてしまうという手もあるよ。長い毛がいっぱい落ちたら 気が滅入っちゃうよね。もちろん、短くするのも勇気がいりそうだけど。
    ダンナと床屋やってるんで、いろんな人が来るよ。抗がん剤で脱毛してるのに、カツラかぶって仕事してる人とか・・・!
    そうそう、お客さんで このブログの愛読者がいるよ!私と同年で市立k高校(望さんの母校)卒業生の男性です。応援してるよ。

  2. より:

    そうかあ、ひーみちゃんは髪の毛のプロだもんね。バニバニさん情報だと、入院していると看護師さんがバリカンで短くしてくれたりもするみたい。私も自分で切れるだけ切ってみようかな。
    私の同窓生がひーみちゃんのお客様なんだね。誰だろ???
    高校の時はあまりよい生徒ではなかったので(高校の時だけじゃないけど!)、なんか不安(笑)

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