病気

余命半年アゲイン

 昨日(2009年10月20日)病院で診察を受けた。
毎週採血をし、結果の説明を受けてから抗がん剤(ジェムザール)の点滴をしてもらっているのだが、昨日は先生より、腫瘍マーカーの数値がとても上がってしまっていて、もうジェムザールでは腫瘍の成長を押さえきれていないようだとお話があった。
この後「カンプト」という、本来なら膵臓がん適用ではない抗がん剤を試していただけるらしいが、病状はとても厳しいとのこと。
勇気を持って「あとどれくらい生きられますか?」と聞いてみたところ、「・・・半年かな」とのお返事。
こんなところで泣いてはいけないと思ったのだけれど、涙(と鼻水)がどんどんあふれてきてしまった。
皆さん、「もうとっくに<余命半年>って言われてたじゃん!」と突っ込みたくなると思う。
ただ最初にがん告知を受けて「これから治療をしますが、効かなければ3~6ヶ月の命だと思ってください」と言われた時と、1年以上さんざっぱら治療を受けて、今、正式に(?)「あと半年かな」と言われるのでは、正直言葉の重みが全然違う。
それに最初に告知をしてくださった先生とは検査だけの1,2回のおつきあいしかなく、もちろん信用していなかった訳ではないが、心のどこかに「本当に本当にそうなのかな?」というかすかな隙間のようなものがあった。しかし今回は、私のことを1年以上診てくださっている主治医の先生が仰っているのだから、本当にそうなのだろう。
娘や両親にも話し、最期をどこでどのように過ごすのか相談するように、また「末期がん」ということで介護保険の申請ができるのですぐ手続きをするようにとお勧めあり、その足で区役所に行き早速申請をしてきた。
私は老人ホームに勤めていたので介護保険とは無縁ではなかったが、介護保険というのは本人がもう自分では動くのも厳しくなって、家族とかが代理で申請に行くようなイメージを持っていた。
しかし、自分でスタスタと歩いて窓口に行き、申請書を書く人もいるんだなあ・・・と自分のことながらちょっとびっくりである。
「失礼ですが何歳ですか?」と区役所の方に聞かれ、「44歳です」と答えると、申請書の裏面の特定疾患の表を指差され、「若い方はここに書いてある病気でないと申請できないんですよ」と言われる。
そこで自信を持ってはきはきと(?)「あ、大丈夫です。16番の末期がんです」と答えている自分・・・何だか現実であるようなないような不思議な気分である。
こんなに元気で、自分で何でもできるのに・・・!
半年後にこの世から自分が消えちゃうなんて!
今はまだ、混乱からちょっと立ち直っていない状態だが、今日「10月21日」は私にとって最後の「10月21日」なのだ。
こんな状態でも、何かできることを探して悔いのない一日にしなければ。
幸せなことに、お日様はさんさんと輝いてくれている。

 

POSTED COMMENT

  1. バニバニ より:

    すごくショックです。
    私も動揺しています。
    週末、大丈夫ですか?治療の後だし…
    望さんの心が心配です。

  2. bucchi より:

    今回の見出しと、一つ前の見出しの「大きいティンカーベル」が一緒に目に飛び込んできました。
    ティンカーベルは道具の妖精で、次の季節の準備のための道具を作るのが仕事なんだって、知ってました?
    次の季節、また次の季節…一つ一つ時を刻んでいくんだよね。
    …この後が続かないです。
    酷だね

  3. アイ より:

    望さんの気持ちが伝わって涙がこぼれました(T_T)
    でも私は心のどこかで、半年後の4月21日も望さんが元気にブログを更新してくれると信じてます。

  4. より:

    >バニバニさん
    心配かけてごめんね。週末ランチ大丈夫ですよ♪
    楽しみにしていたし、皆さんに話も聞いてもらいたいし・・・あ、そうそう、ディズニーの写真も見てね。
    よろしくお願いします。
    >bucchiさん
    ティンカーベルは道具の妖精なんですね、知らなかった!
    私もせっせと次の場所や季節のための準備をしていますよ。死ぬのは終わりじゃなくて、天国への引越し(←最近気に入っているフレーズ)だと思いたいから。
    中くらい(150センチ)のティンカーベルだよ♪
    >アイさん
    今、多少の不具合はあるもののおおむね元気なので、私自身も信じられない思いでいっぱいです。
    3月の同窓会に写真ではなく、実物参加できるといいんだけど・・・
    そうそう、ディズニーでの食生活はアイが言っていたとおり厳しいものでした(笑)
    ピザ→ハンバーガー→サンドイッチ→ピザ・・・の恐怖のローテーション!
    エプコットで牛丼風の食べ物(名前はトノサマランチ!)を見つけた時は、こんなのが9ドルもする!!と毒づきながらもむさぼり食べてました。

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