死ぬときに後悔すること25

 「死ぬときに後悔すること25」(大津秀一著・致知出版社)という本を読んだ。
著者の大津先生はまだ33歳とお若いが、緩和ケアの専門医として1000人以上の人を看取られたとのこと。そして、(もちろん個人の事情はあるものの)人が死ぬときに後悔することはだいたい同じであるということに気付かれ、できるだけ皆が後悔の少ない人生を送れるよう、この本を書かれたそうだ。
「25の後悔」のうち、「やってしまった後悔」は3つだけで、あとの22個は「しなかった後悔」なのが興味深かった。
人生って「やったもん勝ち」なんだなあとしみじみ思った。
あと、ちょっとつらいことだが、「ドラマのように死ぬ直前まで人と話したり、家族だけで静かな時を持てたりするようなことは、普通出来ない」と書いてあったのが印象に残った。
もう「余命何週間」というレベルになれば、ほとんどの時間眠っている状態になるし、動けない・しゃべれない・食べられない・身体は管だらけになるのが現実で、だからこそそのレベルになる前に、時間を無駄にせず後悔ができるだけ少なくなるよう努めなさいということらしい。
うう・・・なんか焦る!
死ぬ準備はある程度できているつもりだったけど、まだまだ素人でした。なんか急に忙しくなりそう。
あと「完治がのぞめないガンを抗がん剤等で治療している場合(私のような人だね)、その治療は、後悔をできるだけ少なくするための<時間>を得ることが目的」と書いてあったのにも深く納得。
「治療」という名前でも、ガンをやっつけること、治すことが一番の目的ではないから、勘違いして、ガンと闘うことばかりに集中するな、せっかくもらった時間を無駄遣いするなということだろう。
どんな時間が「無駄」で、どんな時間が「無駄じゃない」のかを判断するのはとても難しいけれど、せっかくこの本に出会ったのだから、死のベッドで後悔することが一つでも少なくなるよう心がけてみたいと思う。
「宮廷女官チャングムの誓い」にはまっている時間は、「無駄」なのかなあ(笑・今頃はまっちゃってます)
<死ぬときに後悔すること25>
1)健康を大切にしなかったこと
2)たばこを止めなかったこと
3)生前の意思を示さなかったこと
4)治療の意味を見失ってしまったこと
5)自分のやりたいことをやらなかったこと
6)夢をかなえられなかったこと
7)悪事に手を染めたこと ★
8)感情に振り回された一生を過ごしたこと ★
9)他人に優しくしなかったこと
10)自分が一番と信じて疑わなかったこと ★
11)遺産をどうするか決めなかったこと
12)自分の葬儀を考えなかったこと
13)故郷に帰らなかったこと
14)美味しいものを食べておかなかったこと
15)仕事ばかりで趣味に時間を割かなかったこと
16)行きたい場所に旅行しなかったこと
17)会いたい人に会っておかなかったこと
18)記憶に残る恋愛をしなかったこと
19)結婚をしなかったこと
20)子どもを育てなかったこと
21)子どもを結婚させなかったこと
22)自分の生きた証を残さなかったこと
23)生と死の問題を乗り越えられなかったこと
24)神仏の教えを知らなかったこと
25)愛する人に「ありがとう」と伝えなかったこと
(★は私が考える「やってしまった後悔」)

POSTED COMMENT

  1. バニバニ より:

    以前、映画「死ぬまでにしたい10のこと」を観たのだけれど、あまり共感できなかったのね。
    でも、この<死ぬときに後悔すること25>は気持ちのわかる項目がたくさんありました。
    今度この本、読んでみますね。

  2. より:

    私も以前題名に惹かれて「死ぬまでにしたい10のこと」を観たけれど、何だかおとぎ話のようであまりピンときませんでした。
    この本はとても具体的なので(読んでいてつらくなっちゃうところもあるけれど)、すごく心にまっすぐにはいってきましたよ。

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