健康な時は、闘病記というのが苦手だった。どうしても「上から目線」という感じで、「かわいそうになあ」「これが私じゃなくてよかった」と思っている自分がどこかにいて、そんな自分がとてもいやで、なるべく読まないようにしていた。
しかし今の私には、闘病記を読む資格?が立派にある訳で、実際以前とはくらべ物にならないほど、一語一句がまっすぐに心にはいってくる。
そして、最近気付いたのは、闘病記って健康な人にとっては、ある種の感動的な「物語」なのかも知れないけど、実際の患者にとっては「実用本」なのだということ。
病気はこの先どのように進行していくのか、その時はどんな薬が出てどんな処置が行われるのか、そして本人はどのような心境でどう対処していくのか・・・もちろん人によって違う部分も大きいと思うが、知りたいことががっつりと書いてあるまさに「実用本」。
この本の主人公である千恵さんも、はっきりと名前は書いていないが、おそらく私と同じ抗がん剤(TS-1)を服用していたのではないかと思われる記述があり、「おお!」という感じだったし、痛みの緩和ケアの段階にはいってからは、「ああ、こういう風に薬を使っていくんだな」といろいろ参考になった。
もちろん実用情報だけでなく、千恵さんの「気持ち」の部分にも教えられることは多くあった。
さぞかし無念だったと思う。成人式を2度迎えている私ですら、どうして(まだ若い)私ががんになったのか!と思ってしまうくらいなのだから・・・
苦しい日々は終わりました。お母様と、天国で安らかに過ごしてくださいね。
「余命1ヶ月の花嫁」
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