病気

日替わり定食

 火曜日(2010年3月9日)、今回で9回目となるカンプト+シスプラチンの抗がん剤治療を受けてきた。
さて今回の「副作用メニュー」は何かなあ?
同じ人間が同じ薬剤の投与を受けているのに、あらわれる副作用がそのたびにいろいろ違うのが困ったことでもあり、面白いことでもある。
「ガンはミステリアスな病気」と言われるが、そのガンを治療する薬の副作用も同様にミステリアスであるのが不思議。
私の「食堂」の日替わり定食メニューは、主に「吐き気」「下痢」「高熱」「倦怠感」・・・(いやな食堂だなあ)
治療のたびに、まあ全てなんらかの症状は出るのであるが、果たしてどれがメインディッシュとなるのか、やってみなくてはわからない。
今回は「吐き気」がひどい(実は金曜日になっている今もおさまっていない)
以前から一粒1600円もする強力な吐き気止めの錠剤を「念のため」にもらっていて、今まで幸いなことに飲まずに耐えられていたのが、今回は我慢できず手をつけてしまった。
吐き気が消えることはなかったけれど、胃のまわりがお祭り騒ぎしていたのが少し落ち着いて、夜なんとか眠ることができた。
神経にものすごく複雑に作用して吐き気を止めてくれる薬との事。こんなすごい薬を考え付く人が同じ人類にいるなんて!ありがたいことである。
吐き気に耐えぐったり寝ていると、どうしても自己評価は低くなる。
こんな自分は果たして生きている価値があるんだろうか。どう考えても病気は治らず、社会のために働ける日は二度と来ない。そして身体はひたすらに苦しい。
積極的に自殺をする度胸はないが、今空から天使がひらひらと降りてきて(「フランダースの犬」の最終回をイメージしてください)、「今なら、苦しまずに天にお連れしますよ~」なんて言われたら、「あ、じゃあお願いします」と言ってしまいそうなほど、死への甘い誘惑を感じたりしてしまう。
それでもじたばたと今日も生きている。
まだ行きたいところがあり、見たいものがあり、出会いたい人がいる。
そして皆とまだ一緒にいたい。
エメラルドグリーンの珊瑚礁の中に眠る日まで(沖縄の海に散骨してもらえるよう娘に頼んでいます)、あと少しこの身体に耐えていくしかない。
飛行機でいつも盗むゲロバッグ・・・じゃなくって「エチケット袋」を常に握り締めて♪

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