お出かけ

あきらめるのも勇気

 2010年1月19日(火)から二泊三日で娘と台湾に旅行し、昨日(1月21日)の夜帰宅しました。
旅行の無事を祈ってくださった皆々様、いつもながらありがとうございます。
無事帰宅し、中国茶(すっかりはまった)などすすっております♪
娘(看護師1年生)のシフトに思いがけず三連休があったことから計画が始まった、この台湾旅行。
台湾といえばほっこり、のんびりのイメージだし、私も病人ということで、今回はあまり予定を詰めずまったくのフリープランで行くことにした。
到着した日はまず「台北101」という、ついこの間まで世界一高かったタワーに上ってみた。
そう、このかわいそうな台北101、先日ドバイにできたなんとかっていうタワーに抜かされ「世界二」になってしまったのだ。
二番になってしまったけれど、十分に高く、ちょうど夕刻から夜に変わる時間に上れたため、夕焼けから夜景に変わる美しいひとときを堪能することができた。
そしてなんと「屋外」に出ることができるというので、高いところ好きの私としてはかなり出てみたかったのであるが、ほら、今私の頭の上にある髪は地肌から生えていないじゃない?(かつらとも言う)
うーん、もしかつらが飛んでっちゃったら・・・と思うとどうしても決心がつかず、泣く泣くあきらめる。
台北101の上からかつらを飛ばしたら、それはそれで楽しいお土産話になるとは思ったんだけれど、とりあえず今1個しかかつらがないからね。
そしてその後「士林夜市」という、ものすごくにぎやかでアジア感満点のナイトマーケットへ。
安い洋服やさん、雑貨屋さんがうわーっと並んでいる中に、さまざまな食べ物の屋台がぐわーっと並んでいて、くらくらするほどの喧騒。こんなのを毎日やっているなんて、台北の若者はみんなあっという間に不良(こんな言葉、今は使わないか)になってしまうに違いない。
そこで悩んでしまったのが、消化器系の病気を持っている私が、屋台で売っている食べ物を食べても大丈夫かな?ということ。
生のフルーツとかジュースなど火の通っていない物はやめておいた方がいいのはわかっているのだが、手羽のから揚げや煮たまご等はしっかり加熱されているようだし、かなり心惹かれる。(私は鶏の手羽とゆで卵が大好き)
しかし外国の油や調味料のことはよくわからないし、食べた後体調を崩すようなことになっても困る。
娘も、たぶん普段健康な時なら食べたに違いないが、運悪く旅行の少し前に胃腸炎にかかっていたこともあり、かなり迷っていた様子。
台北の人混みの片隅でプチ家族会議。
「食べる勇気ある?」「うーん、せっかく来てるのにくやしいけど勇気ないかも」
そして我々が出した結論は「あきらめるのも勇気」。食べる勇気もあれば、あきらめる勇気もある。
今回は勇気をもってあきらめた方がいいのかな、ということに。
手羽や煮たまごくらいのことで大げさなと思われるかも知れないが、食べ物に限らず、旅行をしていると、せっかくわざわざ来たのだから・・・と無理してしまうことが多くて、それはそれで新しい体験ができるチャンスでもあるけれど、私はやっぱりガン患者。
私の行くところには必ず「ガンさん」もついてきているのだ。
だから憧れの足裏マッサージも、「勇気をもって」あきらめたよ。ガンさんを刺激しちゃいけないからね。
あなた(ガンさん)のことを忘れず、こうやって気を遣いながら旅行しているからね。
感謝して(?)、これからもいろんな所におとなし~くついてきてね。頼んだよ。
二日目は「九分」(分は正確にはニンベンに分と書きます)、という台北市内からバスで1時間強くらいの郊外の山の上にあるレトロな街へ。
「千と千尋の神隠し」の「湯屋」のモデルになったと言われている趣ある建物や、小さいお土産物屋さん、食べ物屋さんがぎっしりと並んだアーケード街など、何とも雰囲気のある街なのだ。
そこの「茶芸館」で、中国茶の作法を教わりながら、「最高級」(値段のことは言いたくないが、ものすごく高い・笑)の烏龍茶を頂きのんびりする。
うーん、台湾って感じ!私たち、「旅サラダ」(この番組全国放送かしらん?)に出てくる人みたい!
茶芸館では、日本語の上手な女性の店員さんがついていろいろ教えてくださったのだが、ふとしたことから年齢の話になり、その方も私も同じ45歳であることがわかった。
すると「お母さんと娘さんで、こうやって台湾に旅行!あなた、今本当に幸せでしょう?私は流産してしまって産めなかった。子どもが本当に欲しかった」と娘を抱きしめてくださったのだ。
そして私の髪(かつらなので若い人のようにふさふさ)を見て、「あなたは45歳にはとても見えない。子どももいる。あなたは本当に幸せ」と何度も何度も繰り返し言ってくださるのだ。
今この人に、私がガンでもう何ヶ月も生きられないこと、褒めてくださっている髪の毛はかつらで、その下の本物の毛はかなり少なくなっていることをもし話したら、どんなに驚かれることだろうか。
それでも「あなたは本当に幸せ」と言ってくださるだろうか。
私は、「それでもあなたは幸せ」と言ってくださるような気がした。
この先長く生きられなくても、髪が本物でなくても、45年間生きて、今こうして娘と海外に旅行できる立場に恵まれている。
明日のことはわからない。でも今日の私が「本当に幸せ」なのには間違いない。
先の心配はつきないけれど、今日の幸せに感謝しなければと実感させてくれた出会いだった。
信心深いお国柄ということで、散策していると次々にカラフルで立派なお宮に遭遇し、いろんなお宮にお参りもさせてもらった。
台湾の神様、わざわざ飛行機に乗ってお参りに来たんですよ~。
延命、よろしくお願いしますね。日本国、神奈川県横浜市の望と申します。
体がとても小さいけれど、見逃さないようにしてくださいね♪

POSTED COMMENT

  1. バニバニ より:

    お帰りなさ~い♪
    楽しんできた様でよかったです
    よくわかんないものは食べないのが一番だよね
    二人とも、誘惑によく耐えました!

  2. かおる より:

    楽しい旅行ー♡
    屋台は・・・私も迷った揚句、食べないと思います。
    体調崩したら、後の楽しみが減っちゃうかもしれないもの。
    我慢して、正解よ~
    101の屋上からカツラがとんでいく光景を想像して、
    「プッツ」とふいちゃいました。ごめんなさいね。
    受けすぎです~
    しあわせな時間を過ごせて、よかったですね

  3. より:

    >バニバニさん
    そうですよね、よくわかんない物は食べないほうがいいですよね。実際、何なのかわからない食べ物をいっぱい売ってました。見てるだけならとっても楽しいんですけどね。
    世界って広いなあ・・・としみじみしました。
    >かおるさん
    私も、脳内で台北101からヒョオオオーッと飛んでいくかつらをイメージしてしまいました。
    拾った人は驚くだろうなあ!

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