家族

22歳

 火曜日(2010年2月23日)に抗がん剤治療を受けてから、どうにもこうにもさえない体調の日々が続いている。
シンガポールフライヤーまで歩いていっちゃった元気な私は、本当に「私」だったのだろうか(笑)
今回は高熱は出なかったものの、なんとも気持ち悪く、食欲もなく、倦怠感に悩まされている。
区役所に行く用事があったり、サポートグループに参加したり、とぽつぽつ外出はできているのだが、どうも調子が出ない感じ。
明日から、新しい週、そして3月・・・気持ちで負けてしまうことのないよう、新たな心で日々を過ごしていきたいのだが、明日の朝はどんな目覚めになることだろう。
正直、神のみぞ知るって感じ。
体調がいまいちなので、家事がどうしても滞りがち。
自分が動けないので、娘に「あれしといて、これしといて」と結構口うるさくなっていたのだろう、ついに「もう、あれしてこれしてって言わないで!」と怒られてしまった。
しょぼーん・・・でも、私にも言い分がある。
「じゃあ、私が<あれしてこれして>って言う前に自主的に気付いてやってよ! もう22歳なんだからさ(娘は来月誕生日が来て22歳になる)」
もうすぐ22歳で、結婚していて(諸般の事情によりだんなさんと同居はしていないが)、社会人で・・・もうどこからどう見ても立派な大人である娘。
母親に「今日はプラごみ出しといて」「ストッキングはネットに入れてから洗濯機に入れて(これをすぐ忘れる)」等と言われている自分を自ら恥じて欲しいのだが・・・
しかもそういう細かいことに心を砕いている母親は、もはや死にかけており(!)、抗がん剤治療で息も絶え絶えなのである。
私としては、もうちょっとしっかりしてよ~という気持ちでいっぱいである。
しかし、どんなに母親が弱っても、生きて家にいる限り「家事はやっぱり母親が仕切っているもの」と思ってしまうのが子どもというものなのだろう。
実は私の中にもそういう気持ちがある。
実家に帰ると75歳の母はとても小さく耳も遠くなっていて、昔の母親とは全然違うのに、やっぱり母親として主婦として頼ってしまう私がいる。
言われれば手伝うけれど、自主的に仕切ろうとは決してしないあくまでも「子ども」の私に戻ってしまう。
そしてそれは、母には申し訳ないけれどほんのちょっとだけ心地よい甘い感覚。
年をとっても小さくなっても、母が生きて家にいてくれるからこそ味わえる感覚なのだ。
思えば私は22歳で結婚し、23歳で娘を産んだ。
今22歳になろうとしている娘を見ていると、こんな若さでよく子どもを産んだり育てたりしていたものだと、自分でもびっくりするくらいである。
幼く下手くそな子育てだったけれど、娘はなんとか大人に成長し、私にとって転機であった22歳を迎えようとしている。
そして彼女は私と違い、おそらく22歳で母親を失うことになる。
子どもでいられる甘い感覚を味わえるのも本当にあと少しだ。申し訳ないが、その後は母親のいない人生を歩んでもらうしかない。
・・・と深く同情しながらも、やっぱりごみくらい言われなくても出してよね!と思っている私はいるのだけれど(笑)

POSTED COMMENT

  1. みどど より:

    更新がなくて少し心配だったよ。
    私も21歳で結婚し24歳で長女を産みました。似てたんだね。娘が成人式を迎えたとき、母になって20年たったんだ、娘のおかげで母になれて私も20年、と少し感じいるところがあったよ。人生いろいろだね。

  2. ぶっち より:

    久しぶりに書き込もうとして、私って“ぶっち”にしてたっけ、“bucchi”だったっけと考えてしまいました・・・まあいいや。
    娘さん22歳かぁ。みどどさんのところは成人式終わってるのね。
    家は来年が成人式。ちょっと望さんのところより妹分だけど、親として思うことは一緒だなぁと思いました。
    自分たちが娘としていることもあるのも一緒。繰り返すんだよね、きっと。
    その繰り返しがあることが、救いでもあるように思えています。

  3. ひーみ より:

    私も22才くらいで うっかり いきおいで結婚してしまったよ。あれ、なんだろう。やっぱ、「うっかり」で「いきおい」でなきゃ、結婚してなかったな。それがイイかどうかは 誰にもわかんないし。でも娘たちに会えたのは やっぱ楽しい!!きょうもギャーギャーわめいていたんだけど・・・。
    娘さんもきっと今 ギャーギャー言われることを楽しんでいるんじゃないかしら、そう自覚しているわけじゃないとしても。親に言われる、って大切な時間を味わってほしいな。

  4. より:

    >みどどさん
    そうなんだよね、娘が22歳ってことは、自分が母親になって22年ってことなんだよね。
    自然になったような気がしていたけれど、娘に「母」にしてもらっていたんだなあと改めて思いました。
    >ぶっちさん
    私が母にしてもらったことを、娘にも繰り返してしてやりたかったんだけど、それができないのがちょっと悔しいです。
    まあできる間にできることをしてやりたいとは思っているのですが・・・最近は手より口ばかりなのでうるさがられています(笑)
    >ひーみさん
    親にギャーギャー言われるのも、親が「生きて家にいてこそ」ですもんね。
    よし、思い切りギャーギャー言って、言われる気分を十分に味わってもらっておこうっと。

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